11.07.2008

第39回


UTCPワークショップ「生/性と権力の制度を読み解く」
日時:2008年11月7日(金) 16:30〜
会場:東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
(京王井の頭線「駒場東大前駅」下車徒歩3分)
備考:参加費無料 予約不要
主催:東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育センター」
(The University of Tokyo Center for Philosophy, UTCP)
パネリスト:
後藤絵美(日本学術振興会/UTCP)
「誰のためのヴェールか——現代エジプトにおける宗教言説の変容」
木村朗子(津田塾大学)
「文学というアポクリファ—日本中世宮廷社会の性の配置から」
萱野稔人(津田塾大学)
「生-権力と国民国家のあいだ——フーコーのレイシズム論——」
コメンテーター:市野川容孝(東京大学)
司会:内藤まりこ(東京大学大学院博士課程/UTCP)

http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2008/11/utcp_workshop_on_lifegender_an/

【ワークショップ趣旨文】
社会が再生産を基盤とするものであるかぎり、「生」は「性」の問題として、権力と不可分に結びついている。「生/性」が、人々を有能/無能者に振り分ける権力装置であるとして、ならば無能であることを根拠に、特定の帰属意識を共有しない共同体の可能性を模索することは可能だろうか。本ワークショップでは、こうした「生/性」と権力との関わりをめぐって、特定のアイデンティティを共有する国民によって成立する近代国家の問題を射程に置きつつ、それを異なる社会構造の枠組みから照射することを試みる。たとえば、近代以前の社会における性の配置や、現代社会の宗教(イスラーム教)と「生/性」との関わりを、その可能性を開くものとしてみてみたい。とくに、「生/性」と権力との関わりをめぐって、それまでとかくロマン化されて語られることの多かった前近代やイスラームといった対象を、それとは異なる語りによって現代的な課題と切り結ぶことができればと思う。
パネリストとして、暴力という視座から国家と権力との関わりを考察されてきた萱野稔人氏(津田塾大学)、文学テキストの分析を通して、日本中世における性の配置を権力の問題として論じられている木村朗子氏(津田塾大学)、エジプトにおけるヴェールの問題を研究されている後藤絵美氏(日本学術振興会/UTCP)にご発表いただく。