ご無沙汰しております。新年度も始まりましたが、皆さまご壮健でご活躍のこととお喜び申し上げます。さて、また少し間が空いてしまいましたが、5月よりきむすぽを再開できればと思います。
今回は、金ヨンロンさんの待望のご単著『小説と〈歴史的時間〉――井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』(世織書房)が刊行されましたので、こちらの書評会を開催したいと思います。
皆さまどうぞふるってご参加ください。
***
第93回 叙述態研
日時:5月11日(金)18時30分から
★今回は開始時間が30分遅くなっていますのでご注意ください。
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟301号室
【著者セッション】
金ヨンロン『小説と〈歴史的時間〉――井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』(世織書房、2018年2月)
コメンテーター:金子明雄(立教大学文学部教授)
◆『小説と〈歴史的時間〉』紹介(世織書房HPより)
小説の批評性は「小説に何が描かれていないのか」にある。
四人の作者――井伏鱒二×中野重治×小林多喜二×太宰治――を列する居心地の悪さに 近代文学研究という制度の枠、その政治性を気鋭の研究者が問い直す。
序 章
小説、時間、歴史
第Ⅰ部
〈歴史的時間〉を召喚する〈循環的時間〉
〈歴史的時間〉を召喚する〈循環的時間〉
第1章
小説が書き直される間―井伏鱒二「幽閉」(1923)から「山椒魚」(1930)への改稿問題を中心に―
小説が書き直される間―井伏鱒二「幽閉」(1923)から「山椒魚」(1930)への改稿問題を中心に―
第2章
「私」を拘束する時間―井伏鱒二「谷間」(1929)を中心に―
「私」を拘束する時間―井伏鱒二「谷間」(1929)を中心に―
第3章
持続可能な抵抗が模索される時間―小林多喜二「蟹工船」(1929)と井伏鱒二「炭鉱地帯病院――その訪問記」(1929)を中心に―
持続可能な抵抗が模索される時間―小林多喜二「蟹工船」(1929)と井伏鱒二「炭鉱地帯病院――その訪問記」(1929)を中心に―
第4章
アレゴリーを読む時間―井伏鱒二「洪水前後」(1932)を中心に―
アレゴリーを読む時間―井伏鱒二「洪水前後」(1932)を中心に―
第Ⅱ部
小説の空所と〈歴史的時間〉
小説の空所と〈歴史的時間〉
第5章
××を書く、読む時間―小林多喜二『党生活者』(1933)―
××を書く、読む時間―小林多喜二『党生活者』(1933)―
第6章
小説の書けぬ時間―中野重治「小説の書けぬ小説家」(1936)を中心に―
小説の書けぬ時間―中野重治「小説の書けぬ小説家」(1936)を中心に―
第7章
疑惑を生み出す再読の時間―太宰治『新ハムレツト』(1941)論―
疑惑を生み出す再読の時間―太宰治『新ハムレツト』(1941)論―
第8章
占領地を流れる時間―井伏鱒二「花の町」(1942)を中心に―
占領地を流れる時間―井伏鱒二「花の町」(1942)を中心に―
第Ⅲ部
〈断絶的時間〉に対抗する〈連続的時間〉
〈断絶的時間〉に対抗する〈連続的時間〉
第9章
〈断絶〉と〈連続〉のせめぎ合い―太宰治『パンドラの匣』(1945~1946)論―
〈断絶〉と〈連続〉のせめぎ合い―太宰治『パンドラの匣』(1945~1946)論―
第10章
語ることが「嘘」になる時間―太宰治「嘘」(1946)論―
語ることが「嘘」になる時間―太宰治「嘘」(1946)論―
第11章
いま、「少しもわからない」小説―太宰治「女神」(1947)を中心に―
いま、「少しもわからない」小説―太宰治「女神」(1947)を中心に―
第12章
革命の可能性が問われる時間―太宰治『冬の花火』(1946)から『斜陽』(1947)へ
革命の可能性が問われる時間―太宰治『冬の花火』(1946)から『斜陽』(1947)へ
終 章
〈歴史的時間〉の獲得としての読書
〈歴史的時間〉の獲得としての読書
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