10.12.2019

第95回


叙述態研究会(きむすぽ)の皆さま

 

大変ご無沙汰しております。

前回の木村さんの『その後の震災後文学論』の回から一年以上空いてしまいましたが、ようやくようやく研究会を再開できる運びとなりました。

 

今回は、本研究会を牽引してきてくださった田口麻奈さんの『〈空白〉の根底――鮎川信夫と日本戦後詩』を取り上げます。

すでに各所で話題沸騰の本ですが、この研究会で田口さんのご本を取り上げることを心待ちにしていた方も大勢いらっしゃることと存じます。

皆さまと議論できますことを、心より楽しみにしております。

 

なお、曜日、時間、会場など、従来とは異なっておりますので、十分ご確認のうえご参集ください。

 

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95回 叙述態研究会

 

日時:1019日(土)15時〜18

場所:東大駒場キャンパス18号館4階 コラボレーションルーム3
 

 

【著者セッション】

田口麻奈『〈空白〉の根底――鮎川信夫と日本戦後詩』(思潮社、20192月)

コメンテーター:逆井聡人(東京外国語大学)
 

ディスカッサント:藤井貞和 


最新の鮎川信夫研究

 

鮎川は詩にとって最も本質的な要素を、それが「存在しなかったかもしれない」言葉であるという点に認めようとしている。「存在したかもしれない」と考えることで「空白」を言語的に存在させようとした鮎川にとって、「存在しなかったかもしれない」言葉を創生するという行為のうちにこそ、死者でなく生者と経験を共有するための方途が見出されていただろう。

(「「死んだ男」論」)

 

戦後現代詩の始まりの光景を大胆に更新する本格的鮎川信夫研究。最新資料をもとに、戦後の詩と詩的磁場の批評的達成を現代に問い直す。全集未収録詩篇をはじめ、新発見の書簡など貴重資料を収載。