4.16.2018

第93回

ご無沙汰しております。
新年度も始まりましたが、皆さまご壮健でご活躍のこととお喜び申し上げます。さて、また少し間が空いてしまいましたが、5月よりきむすぽを再開できればと思います。 
今回は、金ヨンロンさんの待望のご単著『小説と〈歴史的時間〉――井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』(世織書房)が刊行されましたので、こちらの書評会を開催したいと思います。
皆さまどうぞふるってご参加ください。

***

第93回 叙述態研

日時:5月11日(金)18時30分から
★今回は開始時間が30分遅くなっていますのでご注意ください。

場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟301号室

【著者セッション】 
金ヨンロン『小説と〈歴史的時間〉――井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』(世織書房、2018年2月)

コメンテーター:金子明雄(立教大学文学部教授)

◆『小説と〈歴史的時間〉』紹介(世織書房HPより)
小説の批評性は「小説に何が描かれていないのか」にある。
四人の作者――井伏鱒二×中野重治×小林多喜二×太宰治――を列する居心地の悪さに 近代文学研究という制度の枠、その政治性を気鋭の研究者が問い直す。


序 章
小説、時間、歴史


〈歴史的時間〉を召喚する〈循環的時間〉

第1章
小説が書き直される間井伏鱒二「幽閉」(1923)から「山椒魚」(1930)への改稿問題を中心に

第2章
「私」を拘束する時間井伏鱒二「谷間」(1929)を中心に

第3章
持続可能な抵抗が模索される時間小林多喜二「蟹工船」(1929)と井伏鱒二「炭鉱地帯病院――その訪問記」(1929)を中心に

第4章
アレゴリーを読む時間井伏鱒二「洪水前後」(1932)を中心に


小説の空所と〈歴史的時間〉

第5章
××
を書く、読む時間小林多喜二『党生活者』(1933

第6章
小説の書けぬ時間中野重治「小説の書けぬ小説家」(1936)を中心に

第7章
疑惑を生み出す再読の時間太宰治『新ハムレツト』(1941)論

第8章
占領地を流れる時間井伏鱒二「花の町」(1942)を中心に


〈断絶的時間〉に対抗する〈連続的時間〉

第9章
〈断絶〉と〈連続〉のせめぎ合い太宰治『パンドラの匣』(19451946)論

10
語ることが「嘘」になる時間太宰治「嘘」(1946)論

11
いま、「少しもわからない」小説太宰治「女神」(1947)を中心に

12
革命の可能性が問われる時間太宰治『冬の花火』(1946)から『斜陽』(1947)へ

終 章
〈歴史的時間〉の獲得としての読書

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